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Snow Man 〜滝沢歌舞伎の舞台に立ち、受け継がれし日本文化を守る者たち〜

こちらは、インドネシアのオンラインエンタメメディア「Bandwagon」によるSnow Manの独占インタビュー記事を翻訳したものです。記録と趣味を兼ねているため、ニュアンスの違いはご容赦ください。

 

オリジナル記事は以下からご覧いただけます。

www.bandwagon.asia

 

Part 2(IMPACTors)はこちら。

mono-mawa.hatenablog.com

 

翻訳

Snow Man滝沢歌舞伎の舞台に立ち、受け継がれし日本文化を守る者たち〜

2022/6/27 by Ginny Palma

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大衆メディアから伝統芸能まで、日本の文化やエンターテインメントはすでに世界中で親しまれている。歌舞伎に関して言えば、様式化された演技、作りこまれた衣装、ダイナミックな舞台装置が特徴で、日本だけでなく海外でも最もよく知られた古典演劇のひとつ。歌舞伎は非常に高度な技術を必要とする芸術であり、その多くが何世紀にもわたって受け継がれてきたものだ。

歴史的には庶民の娯楽だった歌舞伎は、今日もなお、現代の観客のことを考え、その文化遺産を守りながらも慎重に革新を続けている。

 

日本有数のアイドル事務所、ジャニーズ事務所が手がける滝沢歌舞伎にはこの理念が貫かれている。この舞台を現在率いるのが、同事務所の9人の男性アイドルグループ、Snow Manだ。

 

滝沢歌舞伎は、歌手・俳優として活動していた滝沢秀明を主演に2006年初上演。以来、伝統芸能と現代芸能が融合した贅沢な舞台を毎年上演*1している。滝沢歌舞伎の主な見どころは、殺陣、アクロバット、腹筋太鼓、ポップ&コンテンポラリーな歌とダンス、コメディ、時代劇パートなどで、ジャニーズの真骨頂とも言えるショーケースが披露されている。

 

滝沢が主演、ゆくゆくは演出も務めたこの作品は、ジャニーズ事務所に所属するさまざまなタレントが脇を固めていた。その中にいたのが、ダンスとアクロバットの技術に定評のある「Snow Man」だ。

 

Snow Manのうち、当時ジャニーズJr.だった結成メンバーの6人(岩本照、深澤辰哉、佐久間大介阿部亮平宮舘涼太渡辺翔太)は滝沢歌舞伎初期の頃から出演。滝沢の指導のもと、劇中だけでなく、芸能界でも年々大きな役に挑戦しパフォーマーとして成長していったのだ。2019年には向井康二目黒蓮、ラウールの3人が加入してSnow Man滝沢歌舞伎の主役を担うと、以来、舞台名も「滝沢歌舞伎ZERO」に。

 

Snow Manは2020年にCDデビューを果たしており、現在はTV、映画、ラジオ、モデル、他の舞台、自身のYouTubeチャンネルなどで幅広く活躍中。多くの人々に認知され、ファン層を拡大し続けている。しかし、滝沢歌舞伎Snow Manの核であることは否定できない。滝沢がそうであったように、自身のサポート役を務める後輩のメンターとして、より重要な役割を担っているのである。

 

2015年にシンガポールで開催された滝沢歌舞伎海外公演に初めて出演してからはや数年、Snow Manは再度滝沢歌舞伎の海外公演をおこないたいそうで、当時、滝沢が「今まで雪が降ったことのないところに雪を降らせる」と話していたが、それは伏線だったのかもしれない。

 

滝沢歌舞伎という伝統を背負うことへのSnow Manの想い、そしてその舞台を通して日本のエンターテインメントと文化について彼らが世界に伝えたいことをたっぷりとお届け。

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Bandwagon(以下B):滝沢さんから滝沢歌舞伎を受け継いでから3年以上になります。滝沢さんとの関係や滝沢歌舞伎に対する気持ちに変化はありましたか?この数年で舞台をこなすのが簡単になったとか、よりチャレンジングになったりはしていますか?経験を通して学んだことや気づいたことがあれば教えていただきたいです。

 

深澤滝沢歌舞伎は、Snow Manにとってとても大事なお仕事のひとつです。グループの原点に立ち返りますしね。Snow Manが主演を務めるようになって4年ですが、滝沢くんもSnow Manも共演者もスタッフも、毎年より良い舞台をお見せできるように、お客様にレベルアップした新しい体験をしていただけるように、一生懸命頑張っています。基本的に、この舞台に慣れることは絶対にないんですよ。毎回、新しいワクワクするチャレンジばっかりです。生の舞台に立ちながら自分たちの日本の拠点をよく考えていますが、海外公演にもとても意欲的ですし、興味があります。日本の伝統文化に根ざした滝沢歌舞伎、そして僕たちのカリスマ性とかダイナミックさを、もっと多くの人に見てもらいたいですからね!」

 

宮舘滝沢歌舞伎を受け継いで、僕自身、お客様に舞台を楽しんでもらうことの喜びを強く感じるようになりました。滝沢歌舞伎の舞台は決して簡単なことではないですし、どうすれば僕たちのパフォーマンスを通してお客様に感動していただけるかを常に考えています。毎公演が挑戦なんです。稽古を重ねることで、特に、自分よりも長いキャリアを持つ共演者の方々の能力や才能から、自分のやっていることをよりアピールする方法を学んできました。お客さまを楽しませ、笑顔にできる存在として、いつまでもステージに立ち続けたいと思います」

 

B:滝沢さんとの関係にはなにか変化がありましたか?

 

深澤「正直なところ、何も変わっていないんですよね。Snow Manのデビュー前もいつも優しく、気を配ってくださる先輩で、滝沢くんがいつも僕やメンバーのそばにいてくれたからこそ、今の自分があると思います。だからこそ、今のIMPACTorsが僕たちを支えてくれているみたいに滝沢くんが主役で僕たちが支えていた時代から、滝沢歌舞伎は僕にとって大切な場所なのだと思います」

 

宮舘「滝沢くんは舞台に立つことについて本当にたくさんのことを教えてくれました。デビュー後も分からないことだらけですし、滝沢くんがいなかったら舞台のことなんてほとんど学べなかったと思います。関係が変わることも想像できないですね。すごく尊敬している方ですし、僕の人生にとってとても大切な方です」

 

B:滝沢歌舞伎ZEROの主演を務めるようになって間もなくデビューが発表され、それをきっかけにグループや個人としてもお仕事が増えましたよね。この舞台以外でもお芝居で活躍されている方もいらっしゃいます。歌舞伎を通して演技のスキルを磨くことができたということでしょうか。また、滝沢歌舞伎のために、他のお仕事でさらにスキルを磨くことができたのでしょうか?

 

渡辺「間違いなく役に立っていると思います。滝沢歌舞伎は、どのコンサートとも雰囲気が違って、ステージもコンパクトで、ひとりひとりが輝けるところなんです。歌舞伎の動きも普段の僕たちのダンスとは全然違うし、あまり慣れていないまったく別の練習とか新しいレッスンをしなくちゃいけないんですよね。一方で、Jr.の頃から参加しているのでステージに立つたびにどこか懐かしい気持ちになったりもします」

 

ラウール滝沢歌舞伎はロングランなので、体力、演技力、表現力など、毎年その前年以上の限界に挑戦しなければなりませんが、もちろん精神的な強さも必要です。でも、その分、他の仕事への取り組み方にも大きな影響を与えています。100%の力で演じなければ、僕たちのダンスもお芝居も生まれません。これは最後のお辞儀の後も僕たちが心に留めていることです」

 

B:滝沢さんが主演の頃から舞台を支えて、今は後輩のIMPACTorsが毎公演同じ舞台に立っています。後輩と仕事をするのはどんな感じですか?後輩には滝沢歌舞伎から何を学んで欲しいですか?

 

向井滝沢歌舞伎はめちゃめちゃキツイときもあるってわかってほしいです!でもIMPACTorsはすごく一生懸命で、しっかりと支えてもらっています。個人的には東京で強いつながりがあるJr.のグループはあまりないのですが、それでもみんな必死だなっていうのは感じます。最近、ジャニーズの後輩たちは全体的に、僕らも含めて前の世代よりも仕事の機会が増えているんですけれど、それを当たり前だと思わないでほしいですね。ひとつひとつのチャンスに感謝の気持ちを忘れずに、ベストを尽くすことが大切です。これは、僕たちSnow Manが後輩に伝えなくてはいけない大きな教訓かなと思います」

 

目黒「どの公演もたった一度の公演だと思って、その回に足を運んでくださるお客様の期待に応えられるようにベストを尽くします。そして、IMPACTorsも同じように感じてくれていることを嬉しく思っています」

 

佐久間Snow Man滝沢歌舞伎から仕事、エンターテインメントへのこだわりなど、多くのことを学びましたし、IMPACTorsも自分たちの経験の中で同じような学びを得てくれたらいいなと。自分たちができること、得られることをたくさん見つけられれば、自分で自分に誇りを持てるようになると思います」

 

B:2020年には映画滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』が公開され、今やNetflixで世界中で観られるようになっています。来年には『スーパー滝沢歌舞伎ZERO』が海外で上演される予定とうかがっています。滝沢歌舞伎を通して、海外ファンには日本の芸術や文化、そしてジャニーズについてどんなことを知ってもらいたいと思っていますか?

 

岩本滝沢歌舞伎ZEROの特徴は、歌、踊り、お芝居、そして歌舞伎のような伝統芸能まで、さまざまなパフォーマンスが盛り込まれた、現代日本のエンターテインメントであることです。そのすべての演目を通して日本のエンタメ文化への関心を高めてほしいなと思いますし、海外の人たちに僕たちの舞台に足を運んでもらえるようにしたいです!」

 

阿部「日本の伝統エンタメである『歌舞伎』はUNESCOの無形文化遺産に登録されています。滝沢歌舞伎ZEROは『和』の究極の姿で、歌舞伎にジャニーズが得意とする他の芸能をリスペクトを込めて吹き込んでいるのです。滝沢歌舞伎ZEROを通して歌舞伎の力強さと繊細さをお届けしたいですし、国内外のファンをワクワクさせたいと思っています」

 

B:最後に、今年の滝沢歌舞伎公演期間の楽しいエピソードや面白いエピソードを教えてください。

 

向井「毎日デリバリーを注文していたのですが、到着直前に全員でじゃんけんをするんです。勝った人がみんなのご飯代を払わなきゃいけないんです!」

 

阿部「今年から、伝統的な歌舞伎である『連獅子』を融合させた新しい演目を追加しました。プロの歌舞伎役者の中では『連獅子』を演じることは大きな名誉なので、きちんと演じなければならないというプレッシャーと責任を感じましたね。練習のときはずっと目が回っていたりカツラが飛んでいきそうになったりして大変でしたが、コツをつかんでからは、9人で2メートルほどの大きな赤いかつらを振りながら舞台に立つのは、本当に圧巻でしたね。観に来てくださった方々も楽しんでくださったならうれしいです!」

 

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本記事はBandwagonによる滝沢歌舞伎ZERO特集。パート2では、舞台裏とIMPACTorsについてお届けする。

*1:訳者注:2020年は新型コロナの影響で中止となり、映画滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』が制作、公開された。